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薪について

良い薪と悪い薪の見分け方

このページでは、良い薪と悪い薪の見分け方についてご案内いたいます。

薪の良し悪しを決定するのは「乾燥」

薪の良し悪しは、1にも2にも乾燥で決まります。

ナラやカシが良い薪になると言われるのは、これらブナ科の木が堅く、また比重が大きいため火力が強く火持ちが良いからです。

もちろんカシやナラに代表される堅い広葉樹は薪の材料として非常に良い木で、これらで作られた薪が一級品であることは間違いありません。(薪ストーブ・暖炉に使う木の種類と性質参照)

ただ、あくまでも「同じ乾燥度、同じ重さならほとんどの木の総燃焼カロリーはほぼ同じ」というのが【東京薪市場】の見解です。

問題は、「1束」や「1棚」「1m³」などのボリューム表示で、樹種の比重と体積の関係を明記しない販売サイトがあることで、これらがユーザーに混乱をもたらす元になっています。
(そうしたサイトの多くは含水率や重さどころか、1束何円と数えて、長さを明示しないものまであります)

1束○○円などのボリューム表示で、樹種の比重との関係が明記されていないイメージ画像です。

一方、(比重が)軽いので一般には薪ストーブには向かないと言われるスギやマツなどの針葉樹も、よく乾燥させれば良い薪になります。

「ススが多い」などの指摘は、針葉樹の比重が軽いことにより、乾燥が徹底的に行われないのが原因のほとんどで、タール分の多い針葉樹こそよく乾かすべきなのです。

比重が軽いので確かに早く燃えてしまいますが、逆に言えば着火性が良く、体積あたりの価格が安いのでその分どんどんくべればよいわけですから、場合によっては優れた薪といえます。

また、現在主流のハイテクな薪ストーブでは、燃焼時間を延ばしてじっくり燃やすことも容易です。現に、薪ストーブの本家であるスカンジナビアの諸国では、針葉樹を使うのが普通です。
(もちろん、仮にナマの薪を燃やしても、土地が広いので近所から苦情が来ないということもあるでしょう)

【東京薪市場】の乾燥薪の目安

このように、樹種は確かに薪の大切な個性ですが、もっとも重要なのは乾燥度です。

東京薪市場】の乾燥薪の目安は、含水率25%以下のものを基準としています。

本来、20%以下とすべきなのですが、現実問題としてそれでは量が不足するため、薪ストーブユーザーに最後の乾燥のお手伝いをしていただくことによって安全に使用できる薪、ということでOKにしています。

ただし、含水率の多寡は、商品としての完成度の点と公正な重量表示の点から、当然価格に反映されるべきで、【東京薪市場】では乾燥薪のカテゴリーの商品はすべて含水率20%時の重量に計算し直して価格を設定しています。

仮に含水率25%と表示された薪が100kg4000円で出品されていれば、その時点の実際の重量は104kgなければならないということです。同様に含水率15%であれば、重量はその時点で96kgしかないことになります。

その薪が乾燥しているかどうかは、慣れた人なら

  1. 見た目の割に軽い(乾いていれば冬伐りの木からさらに20%は軽くなる)
  2. 持ったとき、ひんやりした感じがしない(冷たく感じるのは水分のせい)
  3. 叩くと乾いた高い音がする(打ち合わせるとカーンという拍子木のような音がする)
  4. くすんだ色がする(鮮やかな色は水分のせい)

などで見分けています。

より確実なのは、1万円くらいで市販されている針を刺して計るタイプの水分(含水率)計を使う方法ですが、精度はあまり高くありませんので、その場で割って出した断面で計ること、できるだけ平らな面に針を差し込むこと、何カ所か計って一番高い数字を目安にすることが大切です。

1万円くらいで市販されている針を刺して計るタイプの水分(含水率)計の写真です。

今だに耳にすることがありますが、「生乾きのほうが火力が強い」などというのは完全な誤解です。

タールが発生し、ススの原因となるばかりか、ストーブを破損してしまったり、最悪の場合煙突火災を起こすことになりかねません。

必ず乾燥した薪をくべるようにしてください。

乾燥した薪をくべている薪ストーブのイメージ画像です。

薪を割る大きさ

もうひとつの大切な要素は、薪を割る大きさです。

市販されている薪のほとんどは、かなり細かく割られているようです。乾燥を促進するためと、着火性を良くするために、確かに細かい薪はメリットがありますが、質量に対して表面積が大きいので、大割の薪に比べて、重量の差を上回るスピードで燃えてしまいます。

現代のストーブは、放り込んだ薪をじっくりと、そして完全に燃焼させるようにできていますから、乾燥さえ十分なら、薪はできるだけボリュームがあった方が、火持ちは良いです。

太い薪と細い薪の写真です。

スタート時には別に用意した焚き付けや着火材を使うことになりますが、これも薪が完全に乾いていれば、ごく少量でOKです。

余談ながら、【東京薪市場】では、人手不足に悩む製造業者の負担を減らし、市販価格を安く抑えるためにも、あくまでも乾燥していることを条件に、できるだけ割る回数の少ない薪作りを研究しています。

最新式のストーブでは、乾燥さえしていれば、直径15センチの丸太でも完全に燃えます。

丸太の長時間の乾燥には広い敷地が必要となるため家庭で行うのは難しく、林内に2年間積んでから出荷するか、人工乾燥を行うか、ということになります。

皆さまからのご助言やご提案をお待ちいたしております。
生産者もユーザーも乾燥に工夫をし、調達できる木はできるだけ無駄なく利用して、より環境に良く経済的かつ安全な薪ストーブライフを楽しんでみてください。

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